インプラント治療と矯正治療の“合わせ技”とは?

「歯並びも悪いし、奥歯も失っている……」
「インプラントをしたいけど、噛み合わせがずれていると言われた」

このように、歯列不正や咬合異常と欠損歯が同時に存在するケースでは、インプラント治療単独では最良の結果を得ることができないことがあります。

そこで重要になるのが、矯正歯科治療とインプラント治療を戦略的に組み合わせることです。
当院では、矯正医との連携によって、歯並びと咬合、そして欠損部の再建を一体的に設計し、機能・審美・長期安定性すべてを見据えた総合治療を提供しています。

矯正治療を併用する3つの主な目的

1. インプラント埋入スペースの確保

歯を失ったまま放置していると、隣接歯が傾斜したり、反対側の歯が挺出してくることがあります。
そのままでは、適切な位置にインプラントを埋入できないため、まず矯正治療でスペースを確保し、理想的な位置へのインプラント治療を行います。

2. 噛み合わせの再構築(咬合再構成)

咬合崩壊が進んだ患者様では、インプラントを埋入しても噛み合わせの軸がずれていて負荷がかかりやすいことがあります。
矯正によって咬合を整え、長期的に安定する咬合関係を構築してからインプラントを行うことで、トラブル予防に繋がります。

3. 審美性の向上

前歯部にインプラントを行う際には、歯の位置や角度・左右対称性・歯間距離などが重要な審美要素となります。
矯正で歯列全体のバランスを整えてからインプラントを行うことで、自然で美しい前歯ラインを実現できます。

当院で対応している併用治療の例

症例1:下顎左右臼歯部欠損+上下前歯叢生

奥歯の欠損で咬合が不安定な状態に加え、前歯に叢生(ガタガタの歯並び)あり。
まず矯正治療で前歯を整えながら、奥歯のスペースを確保。
矯正終了後にインプラントを左右下顎臼歯部へ埋入。
咀嚼機能・審美性ともに大きく改善され、咬合安定も得られた。

症例2:上顎中切歯欠損+正中ズレ

外傷で前歯を失い、放置により左右の歯列にズレ。
矯正により正中を整えてから、審美的インプラント埋入とジルコニア補綴を実施。
見た目・発音・歯間バランスを自然に回復。

症例3:下顎片側遊離端欠損+反対側挺出

歯の喪失により咬合が崩れ、対合歯が挺出(のびてきた状態)。
矯正で挺出した歯を引き下げ、インプラントを正確な高さに埋入
骨量も限られていたため、サイナスリフト+GBR併用

矯正×インプラントの治療ステップ

  1. 精密診査(CT、口腔内写真、セファロなど)
  2. 矯正治療による歯列・咬合の再構築
  3. スペース確保後、インプラント埋入
  4. 矯正装置撤去、補綴処置(被せ物)
  5. メインテナンスへ移行

治療期間は症例により異なりますが、おおむね12〜24か月程度を見込むことが一般的です。

当院の強み ~ 矯正歯科と連携した総合治療

  • 矯正医とインプラント専門医が連携し、一貫した治療計画
  • CT・セファロ・3Dシミュレーションによる精密設計
  • 矯正とインプラントのタイミング管理も一元化
  • 咬合再構成を見据えた長期安定性重視の治療
  • 前歯部の高審美ケースにも対応

よくあるご質問

Q. 矯正をしないとインプラントはできませんか?

必ずしも矯正が必要なわけではありません。
しかし、現状の歯列状態が明らかに不適切である場合には、矯正治療を先行することで、将来的なトラブルや負担を大きく回避できます。

Q. インプラントと矯正、どちらを先に行いますか?

多くの場合、矯正治療を先に行い、必要なスペースや位置を整えた後にインプラントを埋入します。
ただし、症例によりインプラントを固定源(アンカー)として活用するケースもあります。

Q. 全額自費ですか?費用はどのくらいかかりますか?

矯正治療・インプラント治療ともに保険適用外(自由診療)となります。
費用は症例によって異なりますが、矯正:60〜90万円、インプラント:1本40〜50万円程度が目安となります。

歯並びと欠損治療をトータルで考える

インプラント治療は、骨や歯の位置が正しく整ってはじめて最大限の効果を発揮します。
そのため、矯正との併用は決して“遠回り”ではなく、むしろ“近道”となるケースも多いのです。

当院では、矯正×インプラントの複合治療に熟練した専門チームが、あなたの「噛める」「美しい」「長く持つ」口元を実現します。

まずは無料カウンセリングで、あなたに最適な治療の流れをご提案いたします。お気軽にご相談ください。